登録年月日:2021.03.26
コメント
琉球庭園と呼ばれる庭ですが、もともと沖縄県外の地域にも支店があったことから、琉球庭園にはない灯篭も混ざって置かれており、本土を意識した庭園となっています。沖縄風でいうと「チャンプルー」の庭園です。90年前頃から景色は変わっていません。また沖縄方言でクルキーと呼ばれる樹齢100年近い太い木は圧巻で、このクルキーを中心に入口まで並んで立っています。
解説
津嘉山酒造所庭園は名護市西部の旧名護市街地に所在する。創業者津嘉山朝保(つかやまちょうほ)は、1927年に現在の地を取得すると酒造所兼住宅を建築し、泡盛「※國華」の製造を開始した。庭園もこの頃造られたと考えられている。戦争による破壊を免れた酒造所は現在も現地で泡盛の製造を行っている。ほぼ長方形の敷地の中央部分に主屋が建ち、細長い形の園地は沖縄本島の形を模したと伝わっており、沖縄本島北部算出の古生代石灰岩を用いた置き石がある。酒造所に造られた庭園のデザインは特徴的であり、近代の沖縄県における造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。