登録年月日:2009.06.30
コメント
沖縄で唯一戦前からの姿を残す赤瓦葺き屋根の木造建築として、最大級の大きさを誇る建物。酒造所と居住スペースが同じ屋根の下にあり、ハリには米軍が駐留するための場所として使われたと思わせられる英文の落書き、外の塀には弾痕らしき跡など、数々のこん跡が残されています。酒造所には工場長と杜氏の二人だけ。1970年頃から変わっていない製造ラインで泡盛を丁寧に作り続けています。
もっと見る
解説
津嘉山酒造所施設は、名護市街に所在する現役の泡盛製造所施設である。木造で建築面積95.51㎡。敷地はほぼ短径で、通りに南面し、中央南寄りに主屋、その北に麹屋を配し、周囲に堀を廻らし、南辺中央に正門を構える。主屋と麹屋は設計者島袋純一、施工者金城徳三郎により1927年から1930年にかけて施設を現在地に建設し、正門や外堀等も同時に整備され、泡盛の生産を始めたとおもわれる。主屋、麹屋、正門及び外堀、門及び内堀、南井戸は、2006年3月2日付で登録有形文化財(建造物)に登録された。主屋は、泡盛製造のための施設と移住部分を一体とした形式で、麹屋とともに昭和初期の(1926年~)の酒造施設の形態を良くとどめており、貴重である。主屋居住部は、沖縄地方の伝統的な住宅平面を受け継ぎながら、近代的な展開も示しており、沖縄の近代住宅を理解する上で重要である